大阪・梅田の街中で開催された賞金総額¥1,500,000のレールコンテスト「Cowday 2019」。各地から集まったライダーたちのパッションが渦巻く熱戦のコンテストの模様をお届け。
Photos by: Photography 樹. Special Thanks: Kenta Tokoi
2月22日〜23日、大阪・梅田、うめきたUmedaiガーデンに約30トンの雪がめいほうスキー場より運び込まれ、特設レールセクションが登場した。
国内コンテストの最高額となった賞金総額¥1,500,000のレールコンテストには、撮影を駆け回るライダーやオリンピアンらをはじめとするコンペティター、そして各エリアのローカルスノーボーダーたちが会場へ顔を揃えた。
Rider: Miyon
大会セクションはコースセンターに配置されたフラットレールから左右にはダブルダウン、ダウンレール。フラットレールからトランスファーが狙える3wayセクションだ。
ジャッジ方法は予選から勝ち上がったライダーとインビテーションライダーたちによって決勝が行われ、勝敗を決めるポイントは完成度やスタイルを競い、良いランをしたライダーへ渡されるコインの数で勝者を決めるというもの。
良い滑りをしたライダーへその場で手渡されるコインは、ジャッジ陣の600枚と観戦者の200枚、男子合計¥600,000。女子ではジャッジ陣の200枚と観戦者の100枚、女子合計¥300,000。そして、それぞれ優勝者とベストトリックに賞金が贈られる。
決勝への出場権をかけた22日の予選では、若手からサンデーボーダーまで、下剋上を狙うスノーボーダーたちが各地から集結。
大会開始とともにトリックの応酬がはじまったのはいうまでもないが、特に印象的だった女子の佐久間成美、森田恵菜、松岡杏樹、谷上加七子、国武真葵らが全セクションで安定した滑りを披露していた。
男子は予選から激しいセッションが繰り広げられ、会場の雰囲気に飲まれることなく自分の滑りをしっかり魅せたライダーたちが勝ち上がった。
男女ともに決勝へ勝ち上がったのはメイク率の高いライダーたちだ。
Rider: Kaito Jinguji
Rider: Takashi Tamamura
Rider: Kaede Yasunaga
23日には、男子予選の勝ち上がりライダー10名と招待ライダー15名がふたつのヒートに分かれて、決勝への10枚の切符を賭けた戦いがスタート。
セミファイナルからは、中央のフラットレールからの左右のレールへのトランスファーは当たり前で、さらに技の完成度やオリジナリティを求められていた印象。
誰が決勝へと残ってもおかしくないメンツだったが、勝ち上がったのは、Aヒートから濱田海人、大村優生、相澤 亮、角野友基。Bヒートから宮澤悠太郎、国武大晃、コンラッド・山本、米野瞬士。オーバーオールで高橋一将、山田悠翔。名だたるメンツのなかに下剋上モード全開の週末にボーダー、高橋一将がファイナルへと進出。勝ち上がった10名で賞金をかけた決勝がスタート。
2月にして春のような気候と会場のボルテージの高さ!? で会場に敷き詰められた雪がまたたく間になくなり、決勝へ向けて16トンの雪がめいほうスキー場より運び込まれた。
日も沈み立ち並ぶビル群のなかにライトアップされた幻想的な特設会場。会場には人々がひしめき合い、会場のテンションも最高潮を迎え、男子、女子それぞれのクラスで10名のライダーたちで賞金を賭けたファイナルがスタート。
ジャッジ、観衆を沸かせたらその場でコイン(賞金)をゲットできるというのだから、予選以上に気合が入るに違いない。
Rider: Conrad Yamamoto
Rider: Ryo Aizawa
3rd Place
Rider: Kaito Hamada
2nd Place
Rider: Yuki Kadono
1st Place
Rider: Hiroaki Kunitake
男子はファイナルは、開始早々から熾烈な争いがスタート。
なかでも特筆したいのは、今大会の最難易度トリックであろう、角野友基のスイッチFs50-50からのスイッチBsリップスライドトランスファー。
濱田海人がオーディエンスを沸かせたハーフキャブインからのダウンレールへのBsハードウェイトランスファーはベストトリックに選出。
優勝を飾った国武大晃は、マーカス・クリーブランドさながらのハーフキャブインからのノーリーロデオアウトを決めて、会場のボルテージを一気に押し上げた。
表彰台へとはいかなかったものの、Cowday2018の覇者、相澤 亮は全開の滑りで観客を魅了していた。
1st Place
Rider: Haruna Ishihara
2nd Place
Rider: Maki Kunitake
3rd Place
Rider: Asami Hirano
女子優勝はフラットレールでFsノーズスライドプレッツェル、ダブルダウンでFsノーズなど、バリエーション豊かなトリックを魅せた石原晴菜が見事優勝。
2位の国武真葵は予選の勢いをそのままにフラットレールのFs50-50から ダウンレールへのトランスファーのFsリップスライドをメイク。このトリックで女子のベストトリックも獲得。
3位の平野あさみは、さすがのオリンピアンらしく、本番に強い安定感を魅せていた。
熱戦という言葉が相応しいコンテストとなった「Cowday 2019」。リザルトに関わらず、2日間にわたり会場へ訪れた約6500人ものギャラリーへスノーボーダーのパッションを魅せた参加ライダーたちにBig Up!!
リザルト
<Men’s>
1位 國武大晃
2位 角野友基
3位 濱田海人
4位 相澤 亮
5位 宮沢悠太郎
6位 コンラッド・山本
7位 山田悠翔
8位 大村優生
9位 米野舜士
10位 高橋一将
<Men’s Best Trick>
濱田海人
<Women’s>
1位 石原晴菜
2位 國武真葵
3位 平野あさみ
4位 佐久間成美
5位 松岡杏樹
6位 Miyon
7位 谷上加七子
8位 松田麻衣子
9位 森田恵菜
10位 藤川桃華
<Women’s Best Trick>
國武真葵
Cowdayの仕掛人、岡本圭司、大会コースディレクションを担当した稲村 樹のミニインタビュー
Cowdayのコンテストはライダーファーストなんですよ。
自分が大会やるときはライダーのモチベーションを高めて上げられる環境を作りたいって思ってる。運営、ライダー、観客のバイブスがすべて噛まないといい形にならないって思ってたからそれが今回上手くいったから、凄く嬉しかった。
Cowdayはこれまで4年間白馬でやっていて、スノーボードのコアな部分と一般の人たちと繋げたいって思ってたから山でやることに限界を感じていたこともあった。
うめきたガーデンの運営を友達がやっていたこともあって、相談したら快くOKしてくれて進んで行った感じなんですよ。
イベント内容をみんなで作り上げていって、文化際みたいになってたな(笑)。まわりの仲間に助けられて作っていって、仲間だからスムースいったのかな。みんなスノーボード好きやしね。
今後も街中でやりたいですね。もっと面白いことがきそう。業界外に発信をしていきたいですね。
多くの人たちと関わって大会を作り上げていく。人に任せるんじゃなくて、自分たちで考えて作り上げました。
正直、最初は自分のなかで滑りてとしての気持ちが強くて、運営に参加することには複雑な気持ちもあったけど、運営に関われたことで、自分が成長ができたから感謝してます。
完成したコースはというと、完全にミスりましたね(笑)。フラットが短くて、アプローチが急な難しいセクションになってしまった。限られた予算のなかで、斜度や設計を含めて考えていくのが難しかったですね。
設計の問題で怪我人が出ないでくれって思っていたけど、怪我は僕だけでした(笑)。
Cowday2019は、スノーボード業界外の多くの人たちに発信できたし、すごく意義のある大会になりました。参加したライダーたちは、こんな会場で滑れるなんてすごく幸せなことだと思う。
大会は、玄人好みのトリックセレクトと魅せ方、自分的には相澤 亮が一番印象的。本当に上手いヤツが勝つって大会だったな。
楽しんでくれたライダーと運営をサポートしてくれたみんな。多くの人たちに感謝。
Cowdayはこれからも進化していくと思う。