EPIC SNOWBOARDING MAGAZINE

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DEATH LABEL × HOLY BOWLY

パークヒッターからパウダーフリークまで、各国からトップライダーや好きモノな滑り手たちが招集されて行われる地形イベント「Holy Bowly」。
2017年4月にカナダ・サンシャインビレッジで行われた、5回目となる「Howly Bowly 2017」は過去最大規模のコースが誕生。
その世界最大級の地形イベントへ、Death Labelチームがドロップイン。

Photos by Yuji Azuma, Death Label Team, Words by Epic Snowboarding Magazine

 

 Holy Bowlyとは日本や北米など、毎年開催地を変えて行われ続けている世界最大級の地形イベント。
昨今、一大ブームといっても過言ではないほど、各地で盛り上がり続けるボウルやバンクなどが楽しめる地形イベント。全身で地球の重力を感じる快感とライン取りの奥深さは、スノーボードでしか味わうことのできない3D地形ならでは。それぞれの国や地域によって、個性溢れる人口地形が各地で作られ、多くのスノーボーダーを熱狂させている。そのムーブメントに火を付けたハシリと言えば、‘00年代中盤に新潟・奥只見丸山スキー場にて行われていたGentemstickの丸山隼人らが手掛ける地形イベントThe Wallに違いない。沢地形のようなライン取りを再現した人工地形と、人工セクションだからこそ可能にしたトリッキーなアクションが高次元にミックスした、春の名物ボウルイベントは全国各地に広まっていった。

Holy Bowlyをはじめ、北米各地で数多くのスノーボードイベントを手掛けるSnowboy Productionのクラッシュ・クレシャが、先述のThe Wallの映像を観たことを発端に「日本のスノーボードカルチャーが凝縮されたこのボウルで、国境を超えたセッションを実現させたい」という思いからHoly Bowlyは‘12年に長野県・八方尾根スキー場にて誕生した。

 “An International Gathering of Creativity and Flow”(クリエイションとフロウの国を超えた集まり)のイベントのコンセプトの通り、個性に溢れ、キャラの濃いメンツが国境を超えて集結し、スペシャルなボウル地形で約1週間行われるセッション。面白くないはずがない。その国境なきボウルセッションのインビテーションを手にしたDeath Labelチームの東 裕二、南雲達哉、PJ・ガスタフソン。’17年のチームトリップの行き先にHoly Bowlyを迷わずチョイスし、日本、スウェーデンからバンフを目指し国境なきセッションへと乗り込んだ。

 Death Armyたちは何を見て何を感じてきたのだろうか?

 

Deathl abel holy bowly Yuji Azuma 東裕二

東 裕二 / Yuji Azuma

 

 Holy Bowlyのセクションはスケートパークのようなトランジションがたくさんあって、自然の木もアートのような仕上がりでコースの一部になっていた。そしてコースが長い!! セッションでは、日本人ライダーの遊び方や滑り方に皆が歓声あげてましたよ。特に乗れてたのは豊間裕介。ジャンルにとらわれない滑りをしてたし、オーリーに男気を感じた。各国から集まったライダーたちがみんな最高に楽しんでいたし、海外にいても日本人がイケてたなって思えた気がします。
 今回のカナダトリップは、僕と達哉のふたりはバーが併設されているバックパッカーに泊まったんだけど、到着した夜から呑んだくれ(笑)。僕は飲みすぎて早めに寝ちゃったんだけど、達哉が何度も起こしに来て…つねに全開。同部屋の人たちもそれがうるさかったんだろうね。翌朝、2段ベッドの上で寝てた達哉の方からゴボゴボ溺れてる音がして。目覚まして見たら同部屋の旅行者が達哉の顔に水をかけて帰って行ってたんだ。それが一番思い出深い(笑)。
 トリップの収穫はNagu Rap(達哉の酔拳ならぬ、酔いどれラップ)をアラスカに続き、カナダに進出させられたこと(笑)。あとはもちろん、世界中のライダーが集まるHoly Bowlyに参加できたこと自体がなによりも収穫かなと。今年もアメリカで行われるHoly Bowlyに行く予定です。

 

 

Deathlabel holybowly PJ・ガスタフソン PJ Gustafsson

PJ・ガスタフソン / PJ Gustafsson

 

 今回のHoly Bowlyで一番印象に残ってるのはとにかく素晴らしいセクション。大きめのセクションや、トランジションがタイトで難しい箇所から、小さくてメローなところもあって、ラインチョイスは多かったね。まさに“クリエイティビティとフロウ”が意識された仕上がりだったよ。そんなコースで最高のチームメイトたちと滑ることができて言うことなしだった。カッコいいライダーもかなり多かったね! なかでも目立ってたのは平良 光、ジェイミー・リン、ショーン・ジェノベーゼ、オースティン・ヒロナカ、あとはトン(東 裕二)だったね! 日本のライダーたちはスムースでフロウのあるサーフライクな滑りでスタイリッシュだったよ。
 バンフの山は大きくて、いろんな地形が楽しめる山だったね。フリーライダーにうってつけの急斜面もあるし、パークにもかなり力を入れてる。あとは、野生の動物をたくさん見たのも面白かった。トナカイ、ヤギ、あとはコヨーテ。ヤバかったよ。
 チームメイトの達哉(南雲)とトンと滑って、パーティして、今回も最高な時間が過ごせた。なにより達哉のカラオケラップが忘れられないよ。

 

 

Death label holy bowly tatsuya nagumo 南雲達哉

南雲達哉 / Tatsuya Nagumo

 

 タイトな距離感に詰め込んだスケートパークのようなセクションでした。日本の地形イベントは自然の沢をイメージしたようなコースなので、日本で滑ってきた地形イベントのほうが、ラインは繋ぎやすかったですね。名だたるライダーたちがボウルを滑っていたけど、なかでもアレックス・ロペス、ブレイク・ポールがカッコ良かった。北海道から来ていたDownchillクルーも独特なライディングをしていたので目立っていたと思います。
 ゲレンデのピークのリフトからHoly Bowlyのコースに行くまでの斜面が、毎日軽いパウダーだったことも最高でした。ロッキー山脈に位置するサンシャインビレッジのスキー場からの景色は絶景だった。
 イベント期間中はカラオケやボウリングナイトなど、ビレッジ内で毎晩パーティを企画してくれていて、毎晩楽しく飲ませていただきました(笑)。チームライダーと海外トリップに行くことはチームの結束力が高まるし最高のトリップでしたね。

 

Death label holy bowly tatsuya nagumo 南雲達哉
 

 Howly Bowly 2018の開催は5月7日から12日、オレゴン州マウントフッドのティンバーラインにて行われる。例年通り、平日はインビテーションライダー限定のシューティングセッション、週末は限定的にローカルや一般にコースを開放する予定だ。サマーキャンプパークのメッカ、マウントフッドにどんなボウル地形が登場するのか今から楽しみだ。
 Death Labelチームはもちろん今回も参加予定。次回はどんなトリップになるのだろうか。