EPIC SNOWBOARDING MAGAZINE

中尾正明 MASAHARU NAKAO 大山

開山1300年、神宿る山に向かい続ける滑る男のヒストリー / 中尾正明

中国地方の最高峰にして美しく雄大な独立峰、大山。日本七霊峰の大山は2018年に開山1300年を迎えた。
開山の記念なんて理由づけはとくにはないが、大山に向き合い続けるスノーボーダー、マサイこと中尾正明より大山の一筆書きの映像が編集部に到着。
降雪量が少ない中国地方のシーズンのなかで数少ないチャンスを狙い、絶好の機会に狙いを定めて挑んだピークドロップのフッテージの公開とともに、大山の魅力に引き込まれたマサイのマインドを掘り下げる。

 

Interview by Epic Snowboarding Magazine.

 

鳥取・大山 2018 – Masaharu Nakao

 

 
中尾正明 MASAHARU NAKAO 大山
 

大山の斜面を意識をはじめたのはいつ頃から?
生涯のなかで、自分のスノーボードに向き合うベースを作ることを考えて、地元の大山で滑れるんじゃないか? って意識しはじめて、鳥取に戻ったのは5年前。昔に大山登山っていう学校の遠足で夏山を登っていたときには、崖だったなって印象だった。妙高、北海道、みなかみの山を滑っていくうちにあるときに昔(大山)の記憶が出てきて、天神の斜面が大山に似てるなって思ったんよ。天神を滑られれば、大山でもできるなって。

大山にアタックをはじめてどのくらい経つの?
スノーボードを14歳ではじめて21年目で大山はまだ5年。北、南、東、西の面を一周して。最近は細かく沢を見だした感じかな。毎日、麓から天気、気温、風をチェックして山の動きが分かるようになってきて、このフェイスに行くならどうだ? とか、計画を立てられるようになってきた。最近は、張り付きすぎてほかのエリアにも出たいなと思ってきたけどね(笑)。

大山はどんな山?
ポテンシャルがあるよ。718年の奈良時代からいろんな伝説のある山で、神に近い山っていわれるところ。昔の修行僧みたいに、山に入って無事に帰ってくるみたいな感じ。山のうえを滑るときは神様を滑るのか? って思ったり。このエリアには山岳信仰が色濃く残っていて、地元の人は大山の恩恵を受けて育ってきてるから、畑とか水とかに手を合わせて感謝してたりね。

今回、大山にアタックしたのはいつ頃?
2月だね。その日は、竹内栄一さんとフィルマーの万太郎さんと仲間の4人で一度、南斜面を見にいったんだけど、雪が全然ついてなくて、「風で飛ばされたかぁ」なんて話ながら、雪がついてる斜面を狙って、夕方で光が少ししか入ってない状況だったけどドロップした感じ。

ピークからボトムまで、めっちゃロングだね。
そうだね。全部を編集で見せてたら長いね。ピークからボトムの大神山神社の裏まで繋がってて滑って降りられるんだよね。神社はスノーボード禁止だから脱いでるよ(笑)。

地元の人に怒られたりしない?
今のところ怒られてはないよ。修行僧の気持ちで向き合っていってるから。下り方が違うだけ。

マサイも信仰してるの?
まぁ一般的の人としてお仏壇は拝むよ。普通だよ(笑)。

大山で狙ってる斜面はまだまだあるの? 
細かい沢の斜面でいったらめちゃくちゃある。今もこれからずっと大山向き合っていくよ。

 

大山、振り子沢2016 – Masaharu Nakao

 

 

中尾正明 MASAharu NAKAO 大山
中尾正明 / MASAHARU NAKAO
1983年1月7日鳥取県鳥取生まれ。2000年代中盤から、Young Guns FilmsやChaos、7Samurai、STONPなどのモノホンプレイヤーが顔を揃えるビデオプロダクションでフッテージを残す。昨今ではAFDやUNのチームに新たに加入するなど、滑りもプロップスもより深化を続ける日本のフリーライドシーンのキーパーソンのひとり。
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