EPIC SNOWBOARDING MAGAZINE

pj gustafsson Death Label

旅にはトラブルはつきもの。エアチケットをロストしたDEATH LABELの珍道記

スノーボーダーはよく旅をする。憧れの地や未知の斜面を求めて、仲間を訪ねて、滑るために。そんな旅にはトラブルはつきものだ。これはとある理由からエアチケットをロストすることになった、Death Labelのチームアイコンで知られる、スウェーデン出身のスノーボーダーPJ・ガスタフソンのお話

Photos by: Yuya Photo. Word By: Epic Snowboarding Magazine.
Special Thanks: Garage INC

 

 

pj gustafsson Death Label

Photos by Yuya Photo

 

 

  Death LabelのPJ・ガスタスソン(以下、PJ)は、レザーのライダースジャケットにタイトなパンツ、全身黒尽くめがトレードマークのスウェーデン出身のスノーボーダー。先日、Love Inc Snowboard Companyからシグネチャーグローブのリリースを発表したが、「俺は滑るときには基本的にノーグローブスタイルだ」というのだから笑わせてくれる。これまでに日本に2度ほど来日をしているのでどこかの山で出会ったスノーボーダーもいるのではないだろうか。PJは、どこか日本人らしさを感じる謙虚でクールなナイスガイ。加えておくならフットワークの軽さは一級品で大のビール好き。

 PJはカリフォルニア・マンモスマウンテンで開催される世界最高峰の地形イベントといわれるHoly Bowlyへ3度目の参加をするために母国であるスウェーデン・ストックホルムアーランダ空港を目指した。Holy Bowlyは過去にも紹介をしている地形の楽園といわれるビッグイベント。無数の地形が点在し、世界各地のトップライダーから好きモノスノーボーダーがこぞって集まり、無数のラインを思いおもいにシュレッドする十人十色の楽しみが溢れるテーマパークのような存在だ。

 イマジネーションを刺激する無数の地形が点在するあの地へ期待を膨らましパッキングを済ませて空港にむかったPJだが、とある事情により起訴中であったPJは空港で出国ができずに途方にくれることになる。いつも通りのチェックインを済ませるが、出国の審査が降りないというまさかのハプニング。税関やアメリカ大使館、多くの機関に掛け合い、やっとの思いで出国の許可を得ることができた。がしかし、この日のために手配した飛行機はストックホルムを飛び去り、旅への期待を膨らませた念願のチケットは紙クズになってしまった。新しい航空券を買う金はない。さあどうするPJ?
 

 
pj gustafsson Death Label

 

 

 そんな途方にくれたPJだが起死回生を果たすのはさほどの時間を要しなかったことに驚かされた。予期せぬトラブルにノックアウト寸前なPJだったはずだが、自分の状況をInstagramのストーリーで発信し、SNSで助けを投げかけたのだ。ストーリーに投稿されたPJのメーデーに反応した、Holy Bowlyを主催するクラッシュ・クレシャをはじめ、スポンサー、仲間たちからの支援金が、国境を超えて集まり、新しいフライトチケットを手にすることに成功。空港での足止めから35時間が経ったが、限られた開催期間のHoly Bowlyに滑り込むことができたのだ。35時間が長かったのか短かったのかはさておき、PJの目的や人望があってこその賜物には違いないが、インターネットしかりSNSの力は偉大なり。

 

 

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Rider: Andrew Brewer Rider: Yuka Kasukawa Photos by Yuya Photo

 

 

 PJの1週間のトリップは生涯忘れることのない記憶に残る旅になったに違いない。
「セクション、ロケーション、乾いた空気が心地よい晴天。ボードに乗っているときも乗っていないときもすべてのセットアップが最高だった。」と話すPJは、昼は思う存分滑り倒し、夜は毎日パーティ。ロン・ロジャースやスモーキンジェイ、ラッセル・ウィンフィールド、デール・レーバーグ、クリス・ローチ、マイキー・レブラン。そして、チームメイトのアンドリュー・ブリューワー、粕川結加や親友のジョーダン・ミシロットとマンモスでハメを外して楽しんだ。

 

 

pj gustafsson Death Label

Smokin Snowboardsのボス、スモーキンジェイ & PJ

 

 

Holy BowlyのパーティでのShout The Peopleのライブ。メンバーにはロン・ロジャース、マイキー・レブラン、ラッセル・ウィンフィールドら往年のムービースターらが顔を揃える

 

 

 SNSやインターネットのおかげで世界中の人との繋がりやコミュケーションをリアルタイムに取ることができる時代。活かすも殺すも自分次第だ。凝り固まったセオリーに囚われずに目標や夢に向かってアクションを起こすことで、想像を超える驚きが起こるかも!? 

 

 スノーボーダーは雪を求めて旅をする。撮影や大会、夢を追いかけて。旅で得た経験はさらなる夢の種となり、花咲く日を待つ。ここではすべてを伝えられた訳ではないが、ひとりのスノーボーダーの旅物語のお話はこれでおしまい。

 

 

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アンドリュー・ブリューワー & PJ

 「俺が参加できるように協力してくれたタカ、クラッシュとみんなに感謝しています。ありがとう。」 PJ

 

 


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Instagram: @pjgustafsson