ストリートスノーボーディングにおけるアカデミー賞といえるX Games Real Snowにおいて、前人未到の2連覇を成し遂げたフランク・ブルジョア。規格外のハンマートリックの数々を披露し、「Hoooooly Shitttttttttt!」と世界中のオーディエンスの度肝を抜いた男は、いったいどんなスノーボーダーなのだろうか?
Interview by Epic Snowboarding Magazine, Photos by Sebastian Madlener. Translation / Words by Kenji Kato. Special Thanks : NOW Bindings Japan
X Games Real Snow、 金メダル獲得おめでとう! 2017年から2年連続で金メダルを獲得してから、なにか変化はあった?
何も変わったことはないかな! あえて言うなら俺の銀行口座の残高くらい(笑)。でも2年連続でのゴールドは俺にも撮影クルーにとっても最高のできごとなのは間違いないね。
スポンサーに変化などは?
2017年のReal Snowの撮影中にLobster Snowboardsからボードをサポートしてもらったよ。そのあとはSuperparkやチームのみんなとアイスランドに行ったよ。めちゃくちゃ楽しいトリップだったね。
パートの撮影で心が得ていることや取り組んでいることはある?
トリックリストを作るようにしているよ。とくにX Gamesのパートを撮るときはね。撮影の時間も限られてるから、スポットでトリックリストがあるだけでかなり違うんだ。
よく考えるのは大事。でもそのときが来たら考えすぎちゃいけない
ビッグスポットやキワドいラインを攻めているけど、スポット選びで気をつけてることといえば?
スポットはそのときの気分で決めているよ。でもまず自分に聞いてみるのが「これをメイクするのに十分なスピードがあるのか?」ってことかな。あとは、大丈夫だって信じるようにしているよ。俺はいつだってポジティブなんだ。ネガティブな考えなんて俺には必要ないからね!
新しいトリックにチャレンジするときのアドバイスはある?
よく考えるのは大事。でもそのときが来たら考えすぎちゃいけない。命取りになりかねないからね。その一発に集中することが大事だよ。
誰よりもデカく、クリーンな滑りはさらに進化し、前人未到の連覇を達成したX Games Real Snow 2018パート
スノーボードの可能性に超感動したんだ。だから、俺も同じことを表現したかった
Photo: Sebi Madlener
影響を受けたスノーボーダーといえば?
昔のForumクルーかな。学校が終わったら『The Resistance』(Mack Dawg Productions)のビデオをしょっちゅう、観てたよ。彼らが表現するスノーボードの可能性に超感動したんだ。だから、俺も同じことを表現したかった。
ケベック出身の好きなライダーといえば?
ルイーフ・パラディス、フランク・エイプリル、ジェイソン・デュボイスだね。今までずっと尊敬してきた3人さ。ここ数年の活躍を観ていると、スポットやトリックの変化がハッキリわかるんだ。彼らの動きはいい感じだよね。
ホームタウンのトロワ・リヴェエールはどんな街なの?
何がそこのウリかな? 特別なことなんてとくにない場所だよ。なんで地元ばっかりで滑っているのかはわからないけど、モントリオールやケベックに住むよりは生活費が安いしね。それに、俺の家族や仲間も住んでるからさ。
冬の一日のルーティーンを教えて。
天気予報と睨めっこしながらコーヒーを飲む。そしたらトラックに乗り込み、山に向かうよ。
地元にいて雪がいい日はどうしているの?
狙いはもちろんパウダー。地元にいるときは仲間とシャウィニガンのゲレンデを滑りに行ったりするよ。仲間のジェイソン・デュボイスはストーンハムのいいスポットを知ってるし、毎回フレッシュなクリフとピローが混ざり合ったいい感じのラインがあるんだ。全然飽きないんだよね。
ストリートでの撮影に今後も集中していくの? それともバックカントリーにも活動の範囲を広げていくのかな?
両方に興味があるよ。去年スノーモービルもゲットしてバックカントリーの幅も広がったから、これからいろいろ楽しみだよ。
2016-17シーズンには日本にも来ていたよね。トリップでの面白いストーリーがあれば教えて。
JFペルシャ、ベンジー・リッチー、ゴロー(小松吾郎)、ヨウスケ(西田洋介)、そしてシュウジ(梶浦修治)と行った秋田は最高だったよ! メシも美味かったし、酒蔵も当て込んだりして、マジで楽しかった! 日本人は一緒にいて楽だと思うよ。日本の文化も大好きだから、また行くのが楽しみ。日本にトリップ中は、日頃のストレスがどこかに消え去ったんだ。マジでビックリしたよ。
日本のレジェンドスノーボーダーたちとセッションした印象は?
ゴローみたいなスノーボーダーはほかに存在しないよね。彼は膝を怪我してたからストラップを締めるのもキツそうだったけど、雪板でかなりヤバい滑りを魅せてくれたよ。
ヨウスケは凄く紳士的。トリップ中ずっと世話してくれたし、滑りだってかなり飛ばしているしね。それになんせ、パーティーのプロ!
シュウジはマジで最高。彼のスラッシュやライディングはスムーズでフローもあるし、惚れ惚れするよ。彼らみたいなレジェンドと滑れて光栄だよ。
Now Bindingsのチームってどんなメンバー?
世界最高のチームだってハッキリ言えるよ。ビッグマウンテンライダーからバックカントリー、ストリートまで幅広い。レジェンドもいるし、本当にヤバいチームだよ。
Now Bindingsのプロダクトで気に入っているところはどこ?
ストラップインしているときのフィーリングが好きかな。ターンのときのボードフィールも最高なんだ。フィット感もタイトだから、ストラップをガチガチに締めなくてもいいしね。
カナダのスノーボード業界のことやライダーサポートなどについて聞かせて。
業界自体は良くなってきてるよ。ここ数シーズン、ケベックはちょっと元気がなかったけどね。カナダのプロスノーボーダー事情はあんまり知らないけど、儲かってるヤツもいれば、そうじゃないヤツもいる。俺は今までの道のりは楽じゃなかったよ。俺がここまできたのも、スポンサーや仲間のお陰だよ。
フランクの名を一躍有名にしたX Games Real Snow 2017パート。規格外の滑りでハンマースポットを次々に制覇
フランクに取って「残すこと」って何?
とにかくいいトリックを撮りためて、観る人をワクワクさせるような最高のパートを作ることかな。
フランクと同じ世界の舞台で活躍するスノーボーダーになりたいと思ってる子たちに何かメッセージやアドバイスを。
とにかく滑って、自分らしくあり続けること。自分の為に楽しんで、自分の為に滑ることが大事。
最後にシャウトアウトしたい人を。
今まで応援してくれた家族や仲間、スポンサーに感謝したい。そしてなによりも、スノーボーディングに感謝!
Photo: NOW Bindings
フランク・ブルジョア/ Frank Bourgeois
1990年9月19日生まれ、ストリートスノーボーディングの聖地ともいえるケベック州出身。The Brothers Factoryによる『4』、そしてTWSNOW『Origins』フルパートでは数々のビッグスポットで度肝を抜くトリックを披露し、注目を浴びる。怖じ気づくことなく、直球で勝負する彼のライディングに魅了されたスノーボーダーは数知れず。X Games Real Snowでのファン投票においては2016年から3年連続で1位を獲得した世界最高峰ジバーのひとり。
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