EPIC SNOWBOARDING MAGAZINE

LNP ROME SDS

INTERVIEW – LNP「パーフェクトなパートで観る人を虜にする。それが俺たちのやり方」

もじゃもじゃのロン毛、もっさりとしたヒゲ、そして“カリブの海賊”から飛び出てきたかのようなファッション。ビールが原動力のユルい風貌からは想像できない時計のように正確なトリック。
街角を無限大のプレイグラウンドにする根っからのストリートスノーボーダー、LNPのこだわりに迫る。

Interview by Epic Snowboarding Magazine, Cover Photo by Oli Gagnon, Photos by Rome SDS, Translation / Words by Kenji Kato,
Special Thanks : Hasco Enterprises

 

LNPの地元のシャルニーはどんな町なの?
よくある小さな町さ。小さなスケートパークがあって、昔からの仲間が大勢いるよ。スケートして、ビール飲んで、町でひとつのバーに行って、ジュークボックスでブラック・サバスをプレイして、またビールを飲む。そんなルーティーンさ。

カナダのなかでもケベックは多くのいいライダーを輩出しているけど、考えられる理由は?
ケベックの街全体が丘になっていて、スポットも山ほどあるからレールライダーが自然と大勢いるんだ。街をグルグル運転するたび、新しいスポットを見つけることができる。

 

 

rome sds lnp ローム スノーボード

 

 

ストリートは気楽だよ。ジャケットとパンツ、ブーツにボード。必要なのはそれだけ

 

 

突然だけど、パウダーは好きじゃないの? 今もレールのみ?
勘違いしないで! パウダーは大好きだよ。ただ山に上がる為の装備を揃えたり、担いだりするのが面倒なだけなんだ。それに比べてストリートは気楽だよ。ジャケットとパンツ、ブーツにボード。必要なのはそれだけだから。寒けりゃ車やガソリンスタンドに逃げ込めばいいしね(笑)。 

バックカントリーの撮影にはハマらなかったの?
結構前になるけど、1度トライしたよ。実際『Any Means』にはバックカントリーの映像が2カットあるんだ。まあ、3月に撮ったからあんまりパウダー感はないんだけどね(笑)。でもまぁトライして、それでもやっぱ好きになれなかった。カナダではモービルを使わなきゃバックカントリースポットにアクセスできないんだけど、俺はモービルがヘタクソなんだ。だからもうパウダーはいいかな。自分には合ってないってことさ。

ストリートライディングの魅力と苦労する点は?
何でもできちゃうところが最高かな。最悪なのは移動とか警察沙汰になること。通りすがりの人に「なぜハンドレールに飛び乗るのか?」とか、嫌みな警官に「フェンスを飛び越えてまでアイテムを作る理由」を説明しなきゃならない。クソみたいな警官とか、やたら喧嘩っ早いジジイとかね。けっこう苦労するぜ(笑)。

パートの撮影は、計画してパートを作り込んでいくタイプ?
いつどこでどんなトリックをメイクしたのかを書き留めてるノートはあるよ。記録しとけば、また同じことを繰り返すこともないからね。

スポットを選ぶときのこだわりはどんなところ?
俺はいつもスケッチーなスポットを選んじゃうんだ。錆び付いて、見るからに無理って感じのスポットなほどやりたくなる。テクニカルなトリックが昔は好きだったよ。でも撮影を繰り返していると、毎回どれも同じに見えてきちゃったんだ。だからどちらかと言うと、見るからに危ないハンドレールやギャップでベーシックなトリックを完璧にメイクするのが好きかな。

 

 

ストリートシューティングに励むLNPの冬の日常に密着。“Deja Vu Movie One Day One Trick Ep. 3”

 

 

契約書にサインして、学校も仕事も辞め、スノーボードしながら世界中を旅したよ

 

 

普段はどんなボードに乗っている? ボードの選び方のセオリーなどあれば教えて。
Romeチームの一員になった日から今までずっとArtifactだね! いいところはずっと変わらないまま、進化し続けているボード。俺はいつも短いボードを選んでいるよ。

Rome SDSに入った経緯を教えて。入った当時からここまでのキャリアをイメージしてた?
以前、Romeの誕生の土地であり本拠地のバーモント州で行われたコンテストに出場したんだ。その大会で勝って、当時のチームマネージャーだったマイク・パドックと繋がったんだ。その後彼はシューティングの為にケベックまで来てくれてさ。それがスタート。契約書にサインして、学校も仕事も辞め、スノーボードしながら世界中を旅したよ。

世界中を旅したなかで、今まで一番楽しかった撮影トリップに関して教えて。
一番最近のDeja Vuクルーと行ったジャパントリップが最高だったな。俺はフランク・エイプリルと同じ部屋だったから、撮影した夜は毎晩ビールを浴びるように飲んでたよ。ダブルダウンフラットのクレイジーなレールでのボードスライドとか、ビビって諦めそうになったスポットで彼はいろいろとヘルプしてくれた。

日本に初めて来たときはどう思った? 不思議に感じたことなどはある?
今まで3回日本には行ったけど、ハッキリ言えるのは地球上で最高の場所ってこと! スノーボーディングもチルするのも超楽しいし、ホテルの廊下にある自動販売機でビールを買えるなんて、日本人は天才だな。メシもウマい、人もビールも、すべてが最高だよ! 不思議っていうよりも、俺たちの日常とは違う所が面白いんだ。

今まででのスノーボードトリップのエピソードで、一番笑える話をひとつ選ぶとすれば?
ヤバいのが山ほどあって、ひとつを選ぶのはムリ! レールでヤラれてウ◯コ漏らしたこともあったし、チ◯コに靴下を被せてニック・ダークスとジェイクOEと3人でホテル中を走り回ったこともあったな。Videograssを撮ってた頃はマジでバカなことばっかりやってたよ!

 

 

感情をカラダから発散させるのは最高の気分さ

 

 

その海賊スタイルの服はどこで買ってるの?
もう全然着なくなったけど、昔はリサイクルショップで買ってたよ。花柄とかを探すなら、やっぱマダム向けのコーナーでしょ。

子供が産まれてから、スノーボードに対する姿勢はどうなった?
娘にはスノーボードしてもらいたいよな。彼女はスケートが好きだから、スノーボードにもハマると思うよ。そしたら絶対一緒に滑りに行くね! 結婚して娘が生まれてからはちょっとメローにストリートを攻めるようになったかな!

家族ができると怪我のリスクも怖いよね。プロライダーであっても危ないスポットに挑戦するときはビビると思うけど、どのように対処している?
一連の流れを頭の中で整理してみる。昔は最悪の事態を想像しちゃったりしてたけど、今はマジで命の危険を感じるようなことはしないかな。

ちなみに今までで一番最悪の怪我は? どうやって乗り越えたの?
前に脊椎を圧迫骨折したことがあったんだ。最悪だったよ。復活するまで結構時間もかかったし、リハビリも大変だった。ドクターの言うことを聞いて安静にしてないといけなかったしね。今は良くなったけど、たまに違和感を感じることもあるよ。スケートした後はストレッチが欠かせないね!

最近もスケートしてる? よく行くスケートスポットは?
俺のガレージにあるボウルとか、ケベックの街中にあるボウルでスケートしてるよ。俺の人生の中でスケートはマジで重要な存在。ニュートリックをマスターするたびにテンション上がるしね。ビビることもたまにあるけど、その感情をカラダから発散させるのは最高の気分さ。

スノーボードとスケートボードの共通点と一番大きな違いってなんだと思う?
似ているのはバランスかな。ボウルをパンピングしている感覚と、スノーボードでスピードをつける為にパンピングする感覚は似ているしね。違いはその他すべて。コスることも、オーリーも、トリックもすべて違う。

 

 

Rome SDSのチームムービー『Shred Remains』からのLNPリミックスパート

 

 

完璧にメイクするまで何度でもトライするよ

 

 

rome sds lnp ローム スノーボード

 

 

世界で活躍するのにカナダの国籍をハンデに感じたことがある? 感じたとしたらそれについてどう思っていた?
昔はそう感じてたな。ブランドもそうだけど、アメリカがつねにリードしてるって思っていたよ。でも今はアメリカ以外のライダーたちも注目されてる。インターネットとかYouTubeのおかげで自分を売り込むことも簡単になってきたよね。

今のカナダのシーンに対してはどう思っている? みんなどんな生活をしているの?
お金の為にスノーボードを始めた訳じゃないけど、それを仕事として生活してる俺はラッキーだよね。Romeは最高のサポーター。ほかの連中が何をしてるかなんてわからないよ。むしろ、あんまり興味がないかな。

プロライダーの価値や、評価されるべきことってなんだと思う?
なんだろうな? さっぱりわかんないけど、お金を貰った分だけの仕事をするのは当たり前だよね。何も行動しなかったらそれで終わりでしょ。

LNPにとって「残すこと」とは?
クールでパーフェクトなパートを作るには、とにかくフッテージを撮りまくることが重要。俺たちは目立ちたいからこそ、完璧なトリックをメイクすることにフォーカスしてるんだ。だから俺たちのパートはすべてパーフェクトで、観る人を虜にする。それが俺たちのやり方さ。スケートの撮影してるときだって同じ。完璧にメイクするまで何度でもトライするよ。

世界の舞台で活躍するスノーボーダーになりたいと思ってる子たちに何かメッセージやアドバイスを。
クールに、社交的になって、嫌みなヤツにならないこと。心から滑りを楽しんで、プロになることに縛られちゃいけない。スノーボードをとにかく楽しむこと!

最後にシャウトアウトしたい人を。
Rome、Ashbury、Stance Socks、仲間たち、Deja Vuクルー、グレッグ・デイ、ウィル・デマーズ、ベンビ、ルイーフ、フランク、アレックス、ウィル、ニック、そしてフィアンセのエミリーと娘のルイーズとスザンヌ! みんな愛してるぜ!

 

 

 

ローレント・ニコラス・パクイン / Laurent-Nicolas Paquin
カナダ・ケベック州出身。1986年1月29日生まれ。スケートを始めた10歳のクリスマスに父親からスノーボードをプレゼントされ、一瞬で虜に。スタイリッシュかつ完成度の高いトリックを武器に、VideograssやDeja vuをはじめとするトッププロダクションにて数々のパートを発表。滑りはもちろん、フレンドリーなキャラクターとユニークなファッションでも人々を魅了するストリートスノーボーディングのアイコン的存在。

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Rome SDS, Ashbury, Stance Socks

 

 

 

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