EPIC SNOWBOARDING MAGAZINE

ryoki ogawa 小川凌稀

INTERVIEW – ストリートシーンをリードするレールキラー、小川凌稀

キッズ時代からメディア露出を重ね、今や国内のストリートシーンを牽引するトップライダーのひとり、小川凌稀。
誰からも好かれるキャラとは裏腹に、ストリートで残すことへのこだわりは人一倍強いシティボーイ。
adidas Snowboardingに移籍し、新境地を切り開いた凌稀のルーツからストリートスノーボーディングに懸ける思いを聞いた。

Interview by Epic Snowboarding Magazine, Photo by Koeji Taro, KentaRAW Matsuda

 

スノーボードのどんな所に惹かれていったの?
新鮮で気持ち良かった。サッカーとかいろんなスポーツをやってたけど、一番ビビッときて衝撃を受けた。

スノーボードをはじめた当時のことや影響を受けたライダーがいれば教えて。
当時、家の近くにロックスライドってショップがあって、ライダーだったトンくん(東 裕二)にショップのツアーとかキャンプで福島の方面に滑りに連れて行ってもらってましたね。その頃はパークよりも、ハーフパイプをやっててJSBAの大会も出てた。それからスノーヴァ溝の口で真人(戸田真人)に出会って、いろんな話が合ったこともあって、そこから聖輝くん(戸田聖輝)俺の兄貴って紹介してくれて、聖輝くんにフロントの形からすべて教えて貰った。まずバインの外で乗る、腰パン、とにかくスタイルのこだわりが強くて、本当に超厳しかった。超憧れて真似してたし、聖輝くんに出会ってからジブにドハマリしてスタイルをすげぇ意識するようになった。

ライダーとしてやっていくって、自分のなかでどういうタイミングから考えてたの?
小学生からっすね。卒業スピーチのときに「海外でも活躍できるライダーになりたいです」って言ってたこともあって、今も変わらないですね。真人も卒業スピーチで本当に気持ち悪いくらいまったく同じこと言ってたらしい(笑)。

すごい偶然だね。中学のときからNeoimpressやCK4だったりビデオで撮影をしてたけど、カナダにはどういう経緯で行くことにしたの?
中学になってからは、電車でスノーヴァ溝の口に週3とかで通ってたけど、中2くらいからはめちゃくちゃ遊んでて、夏は滑りに行かなくなって。そんなときに父ちゃんが「カナダにいい学校あるからそっち行けば?」って言ってくれて。それでカナダに行こうって決めて。

カナダではどんな生活してたの? 得たものや感じたことは?
ウィスラーの学校行きながら、朝は英語の授業で午後はスノーボードするルーティーン。パウダーやって、フリーランをメインでパークも滑るようになったら、一気にジブもジャンプも安定し始めて覚えていったっすね。日本で滑ってたときはジブしかやってなくて、ジャンプもフロントスピンしかできなかった。

 

つねにひとりで滑りに行って、上手いヤツについていってスノーボードしてた。

 

そこで滑りが変わってきたんだね。カナダではどんなスノーボーダーと滑ってたの?
山で上手いヤツの後ろを勝手につけて滑ってた。とくにD.O.P.E.クルーのE-Man(イーマン・アンダーソン)がめっちゃ好きで、見つけたらつけて行って。当時、英語もそこまで喋れなかったし、自分から話せる感じじゃなかった。だけど、あるときにリフトで「お前ずっとついてきてるね、一緒に滑ろうよ」って言われて。それから、E-Man、D.O.P.E.クルーだったり、あとはVideograssでエンダーパートも取ってるレイン・トゥイーターとか、ウィスラーの上手いローカルたちと仲良くなっていった。つねにひとりで滑りに行って、上手いヤツについていってスノーボードしてた。

自分で切り開いていったんだね。高校を卒業してからはどうしてたの?
ウィスラーの“The Circle”ってスノーボードショップで働きたくて、カナダに残りたかったから学校に行きながら働けるビザを取ろうと思って動いてた。結局、半年くらい経ってもビザがおりなくて。でもどうしても諦められなかったから、ボランティアでもいいって言って、滑りながら1年位働いた。給料は貰えないけど、働いた分ショップの商品と交換してくれて。あるときに、ショップの店長から「リョーキ、カナダにずっといたいか? ビザ取ってやるよ」って言ってくれて2年のビザを取ってもらって、働けるようになった。

その後、帰国してからはどんな動きをしてた?
帰国した年にSnowbank(代々木公園で開催されているレールコンテスト)で優勝して、次の日カズくんから「昨日、超良かったね。今年STONPで撮影しない?」って電話があって。こういう話来いよ! って思ってたら、本当にあのときは嬉し過ぎて泣いたっすね。

ターニングポイントが来たんだね。
STONPで1年間フルで動いてストリートでフッテージを残そうと思って。クッソやったろうって思った。

 

Ryoki Ogawa Remix Part

 

誰かにダセェって言われようが、俺がカッケーって思ってるもの。

 

Ryoki ogawa kentaraw matsuda 小川凌稀 松田健太郎

Photo: KentaRAW Matsuda

 

撮影のスポットを選ぶこだわりや基準はある?
誰もやったことのないスポットをやりたいのもあるけど、もし誰かのスポットだったらそれを越えるフッテージを残して、自分のスポットにする。誰かに聞くときもあるけど、ロケハンしてできるだけ自分で見つける。やっぱりモチベーション上がるし、自分のラインを見つけられるのも面白い。

ストリートとパークで滑る違いって何だと思う?
やるか、やられるかの刺激。キンクがすごい長かったりとか、パークにはないレール。昔はパークが楽しかったけど、ストリートを始めてからはパークで滑ってても、あぁこれ死ぬなっていうときないから。まぁ刺激かな。キツいアイテムを見つけてメイクできたときは、ヤバい気持ちいい。あといいメンツで撮影したあとに、家に帰ってストリートの映像をみんなで見る時間も超好きっすね。

凌稀の滑りのスタイルのこだわりがあれば教えて。
誰かにダセェって言われようが、俺がカッケーって思ってるもの。それだけですね。誰かがやってるからやろうっていう感じで、スタイルが似たヤツが多いと思う。やっぱり自分のスタイルを持ってるヤツは面白い。俺は絶対にノーズだったらノーズだしテールだったらテールで体を絞る。バックテールで思いっきり横当てして鬼踏みするのが好き。270インだったりバックリップで真ん中も嫌いじゃないけど。

影響を受けたライダーはいるの?
オレは昔からキーガン・バライカが超好き。やっぱり見てて面白いし、カッケーっすね。

キーガンの滑りのスタイルは影響してる?
技は盗んでたけどスタイルを真似するっていうのはなかった。近くしようとは思ってたかもしれないけど、自分が思う自分の滑りをずっとやってた。

ストリートでの撮影でなにか面白いエピソードがあれば聞かせて。
ウンコ漏らしたこと(笑)。撮影でスポットついて屁しようと思ってブッてしたら、ヤベェって……。そっからちょいちょい漏らし事件あるっすね。あとはスポットでのキックアウトは多い。「またお前らか!」みたいな。

 
ryoki ogawa 小川凌稀

Photo: Koeji Taro

 

adidas Snowboardingのライダーになったからにはやっぱり人とは違うってライダーになりたいと思ってる。

 

ryoki ogawa 小川凌稀

Photo: Koeji Taro

 

adidas Snowboardingと契約した経緯を聞かせて。ライダーになる前はadidasのことをどう感じてた?
ライダーたちのスタイルが“ザ・ストリート”でめっちゃかっこいいし、とにかくブーツの見た目もカッケーって思ってた。adidasのスケートシューズも調子いいからずっと履いてたし。カズくん(國母和宏)がプッシュしてくれて、adidasと話すきっかけを作ってくれたんですよ。

チームライダーたちの印象はどう?
ひとりひとりがまったく違うスタイルの濃いライダーがいて、それぞれが自分のやりたいことやってるチーム。そんなチーム入れて超嬉しいし、adidas Snowboardingに入ったからにはやっぱり人とは違うってライダーになりたいと思ってる。

adidas Snowboardingの気に入ってるプロダクトは?
SAMBA ADV、SUPERSTAR ADV。今年はハイテクなTACTICAL ADVを履いてた。ブーストっていうクッション素材が入っててびっくりするぐらい履き心地がいい。俺は性能より見た目重視だけど1回履くと違いがわかる。SAMBA ADV、SUPERSTAR ADVはスニーカーみたいな色使いがすごいカッコよくて好きで、次のシーズンはSAMBA ADVを履こうかな。

怪我をしていたシーズンに北海道でチームのアテンドをしてたけど、どういうきっかけから?
この2年、肩の脱臼癖とか鎖骨骨折が3回続いて、痛み止めを飲んで滑っての繰り返しでとにかく悩まされてた。だけど良かったなと思うことは2015-16シーズンにルイーフ・パラディス、デレック・リバー、アレックス・シャーマンのadidasチームの撮影アテンドに行くことになって、まぁ合流する前日にも鎖骨を折っちゃったんですけど。いつもは撮られる立場だったけど見る側の立場になって、こんな思いするなら来なければ良かったって、すげぇ悔しくて。でも、アテンドで海外ライダーとセッションするのも初めてだったし、滑らない立場から見てて、今まで気づかないことを気づけたっていのうのがすごい面白くて。

 

Ryoki ogawa kentaraw matsuda 小川凌稀 松田健太郎

Photo: KentaRAW Matsuda

 

海外ライダーと動いて感じたことは何だった?
とりあえずアプローチ作ってスピードチェックをするまで試す。オレたちだけだったら、時間の無駄だからって諦めるようなところを、作り方とライン取り、スポットの見方を覆してくるんですよ。それがすげぇ面白かった。

日本のライダーと、海外のライダーの違いを感じるところはある? 
撮影したいって言うけど全然自分から動かなくて、撮ってくれ! っていうガッツキがないっすよね。

怪我から復活した16-17シーズンはどういう動きしてたの?
つねに北海道にいてストリートで撮影してた。先シーズンは手術して完全復活で一気にモチベーションが上がって、どのスポットに行ってもできるだけやってた。とにかく自分の気持ちが超強かった。

ベストな状態でシーズンを過ごせたんだね。特に印象的だったエピソードがあれば聞かせて。
今までと違かったのは若手のシュンシ(米野舜士)だったりトウイ(鈴木冬生)が初めてストリートで撮影するようになったこと。リップの作り方も滑りも、これがストリートやってるヤツのちげぇだぞって見せてた。撮影のやり方とかを俺たちが教えて行く世代になったのが面白かった。

Dirty Pimp 『Stay High』のフルパート良かったね。最後に凌稀がストリートにこだわり続ける原動力とはなに?
魅せるのがスノーボードだと思ってるし、スポンサーの為にも周りから評価してもらいたいけど、自分でもやべぇって思える、納得できる映像とパートを残したい。去年よりもいいストリートパートを残して、今後もっと海外に行って撮影で動きたいですね。

 

 

ryoki-ogawa 小川凌稀
小川凌稀 / Ryoki Ogawa
1994年3月6日生まれ、東京都足立区出身。幼少期よりスノーボードの魅力に取り憑かれ、10代前半よりライダー活動を開始。類まれなるスタイリッシュな滑りで日本のストリートシーンを牽引する若きトップジバー。
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